ブログを開設しましたわーい!思い立ったら行動の気まぐれ人間なので、どんな頻度で書くかは謎です。
今日は自己紹介がてら少女小説との出会いについて話します。
少女小説との出会いは、私が中学一年生の頃でした。夜遅くに、床にごろごろ転がりながらテスト勉強をしていたら、三段ボックスの二段目に文庫本が奥と手前に二列に並んでいて、奥の方に見たことのない本を発見しました。姉が見つからないように隠していたのを勉強に飽きた私が見つけちゃったんですね。
その時に発見したのがこの桜嵐恋絵巻です。
「深夜」「テスト前」「姉の隠していた物をこっそりと読む」ハマるシチュエーションは完璧に揃っていました。
テスト前夜にも関わらず、一気に読みました。面白かったです。
呪われ姫として生家から追い出されてしまった詞子と、左大臣家の嫡男にも関わらず駄目息子として周りから疎まれる雅遠。
寂しさを抱えた二人は出会い、恋に落ち、幸せな家庭を築いていきます。
この物語で私が好きなところは、一方的に男が女を幸せにする話じゃないところです。
詞子は雅遠と出会ってシンデレラのように幸せになりますが、雅遠は(最終的にはめちゃくちゃ立派な男になりますが!)決してザ・スパダリではありません。
本当にガサツだし、「雅から遠い」って悪口いっぱい言われているし、婚約をぶっ壊す手段が漬物を音を立てて食うだし……でも本当に優しいんですよね……!「おれバカだからわかんねーけどよ、」って真意をつけるタイプ。いや雅遠は実は頭いいんですので全然バカじゃないんですけど、平安時代が舞台なのに現代っぽい価値観のヒーローです。
雅遠は風流から遠くて、歌を読めません(平安時代ヒーローなのにそんなことある?)。詞子が歌を練習してあげたり、扇子にびっしりとカンペ(歌扇)を作ってあげたりして、雅遠は宴を乗り越えます。
他にも、雅遠は、詞子から教えられて楽器ができるようになります。
詞子とその周りを養うために、出世しようと思うようになります。
「詞子のために」と起こした行動で、次第に親や世間にも認められていくようになります。
呪われ姫が幸せになるシンデレラストーリーだけど、与えて与えられる、支え合いの物語でもあります。
大らかで明るい雅遠にひきずられるように、慎重で諦めがちな性格だった詞子もどんどん強くなっていきます。
「わたくしが呪われていて、あなた様が無遠慮で怖いもの知らずの方だからこそ、こうしてお逢いできました」(6巻 遠雷より)
詞子めちゃくちゃ前向きになってるーーー!(号泣)
茶化した会話の中とは言え、呪われたことすらこう言えるなんて愛ってすごいなあと思いました。
詞子もすごく素敵な女の子なんですよね。上品で、慎ましくて、内助の功で雅遠を助ける。ザ・平安貴族女性という感じです。私の平安貴族女性のイメージが詞子から作られている可能性も否定できませんが……。
あと物語自体も好きなんですが、深山くのえ先生の文章が大好きです。
とにかくしっとりな文章で、落ち着いていて、やさしい気持ちになって、でも不思議と艶があるんですよね……。桜嵐読んでから「掻き抱く」とか「噛みつくような口づけ」的概念がめちゃくちゃ好きになりましたね……。静からの動っていいよね。
藤間麗先生の絵もめちゃくちゃ合っています。またくのえ先生とのタッグを組んでほしい。
藤間先生の絵がこの物語の魅力をさらに上げていると思います。
みんな、桜嵐恋絵巻を読もう!(一巻はアンリミ入ってます)本編は全九巻です。
余談なんですが、少女小説って後日談がめちゃくちゃ手厚いですよね。読者が甘々なのを求める×出し惜しみしない出版事情の相乗効果(使い方合ってます?)なのかもしれませんが、とにかく読者としてはめちゃくちゃ助かります。桜嵐も番外編出てます。「夢咲くころ」です。雅遠が三位の大納言まで出世しててじーんとなります。あと私は白菊と宮様の話が好きなのと、艶子が好きです。
余談2 少女小説って当て馬出てくる率低くないですか?私が最初に読んだのが桜嵐だからそう思うのかもしれませんが……。私けっこう当て馬当てるやつできなくて、少女小説を読んでたからかな〜と勝手に少女小説のせいにしています。桜嵐も二人のピンチに恋敵の出現はありません。斎王の身代わりに連れ去られたりして物理的に離れ離れになることはあります。
いっぱい話せて良かったです。おしまい。